エントリーシート（ES）のキャリアプラン欄の書き方と具体例

1. はじめに

就職活動や転職活動で必要となる**エントリーシート（ES）の中で、「キャリアプラン」**についての設問が出されることがあります。

「将来のキャリアプランを記載してください」
「5年後、10年後の目標を教えてください」

このような質問に対して、「何を書けばいいのかわからない」「将来のことなんて決まっていない」と悩む人も多いでしょう。

しかし、企業がキャリアプランを尋ねるのは、応募者の成長意欲や会社とのマッチ度を確認するためです。明確なキャリアビジョンを伝えられれば、採用担当者に好印象を与えることができるでしょう。

本記事では、ESのキャリアプラン欄の書き方、ポイント、そして具体的な例文を紹介します。

2. 企業がキャリアプランを聞く理由

企業がエントリーシートでキャリアプランを尋ねる理由は、主に以下の3つです。

2.1. 応募者の成長意欲を確認する

「どのような目標を持ち、それに向けて努力できる人なのか？」を知るために、キャリアプランの設問が用意されます。成長意欲が高い人材は、会社にとって貴重な戦力となるため、前向きなキャリアプランを持つことが重要です。

2.2. 会社の方向性とマッチしているかを判断する

企業は、応募者が会社の成長とともにキャリアアップできるかどうかを見ています。
例えば、「海外事業に関わりたい」と考えている応募者が、国内中心の企業を志望している場合、ミスマッチと判断される可能性があります。企業の事業内容やビジョンと、自分のキャリアプランを一致させることが大切です。

2.3. どのように貢献できるかを知る

「この人が入社したら、どのような役割を果たしてくれるのか？」
「どの部署で活躍できるか？」

企業は、キャリアプランを通じて、応募者がどのようなスキルを身につけ、将来的にどのような形で会社に貢献してくれるのかを見極めます。

3. ESのキャリアプランの書き方

3.1. 「短期・中期・長期」の3段階で整理する

キャリアプランを説明する際は、**短期（1～3年）・中期（3～5年）・長期（5～10年）**の3つの期間に分けて書くと、具体性が増し、説得力が高まります。

• 短期（1～3年）：入社後に学びたいこと、身につけたいスキル
• 中期（3～5年）：担当したい業務、キャリアの成長目標
• 長期（5～10年）：最終的に目指したいポジションや貢献したいこと

3.2. 企業の方向性とマッチさせる

キャリアプランを書く際は、企業の成長戦略や事業展開とリンクさせることが重要です。企業研究をしっかり行い、「この会社だからこそ実現できるキャリアプラン」を伝えましょう。

3.3. 抽象的な表現を避け、具体的に書く

❌ NG例：「成長したい」「スキルを磨きたい」（抽象的すぎる）
✅ OK例：「3年以内に営業スキルを習得し、主要顧客を担当するアカウントマネージャーを目指す」（具体的）

4. ESのキャリアプランの例文

4.1. 例文①：営業職を志望する場合

短期（1～3年）：
入社後は、営業の基礎を徹底的に学び、先輩社員の商談に同行しながら実務経験を積みます。特に、顧客のニーズを的確に把握し、最適な提案を行う力を磨き、1年以内に自身の案件で契約を獲得することを目標にします。

中期（3～5年）：
3年後には、営業チームのリーダーとして、後輩の指導や営業戦略の立案に携わりたいと考えています。さらに、大手顧客を担当するアカウントマネージャーとして、売上拡大に貢献したいと考えています。

長期（5～10年）：
5～10年後には、営業マネージャーとしてチーム全体を管理し、売上向上の戦略を立案する立場を目指します。最終的には、貴社の事業拡大に貢献できる営業責任者として活躍したいと考えています。

4.2. 例文②：エンジニア職を志望する場合

短期（1～3年）：
入社後は、システム開発の基礎を学びながら、プログラミングスキルを向上させます。特に、JavaやPythonを中心に、バックエンド開発の経験を積み、実際のプロジェクトに参加できるレベルを目指します。

中期（3～5年）：
3年後には、フルスタックエンジニアとして、設計から開発・運用まで一貫して担当できるスキルを習得したいと考えています。チーム内で技術リーダーの役割を担い、開発効率を向上させることを目標にします。

長期（5～10年）：
5～10年後には、システムアーキテクトやCTOとして、企業の技術戦略を立案する立場を目指します。特に、クラウド技術を活用した革新的なサービス開発に携わり、業界全体の発展に貢献したいと考えています。

4.3. 例文③：Webマーケティング職を志望する場合

短期（1～3年）：
入社後は、Webマーケティングの基礎を学び、SEOやSNSマーケティングの実務経験を積みます。特に、Googleアナリティクスを活用したデータ分析に力を入れ、効果的な施策を提案できるようになりたいと考えています。

中期（3～5年）：
3年後には、Webマーケティングチームのリーダーとして、広告運用やコンテンツ戦略の立案を担当し、売上向上に貢献したいです。

長期（5～10年）：
5～10年後には、マーケティングディレクターとして、貴社のブランド戦略全体を統括し、新規市場の開拓を推進したいと考えています。

5. まとめ

エントリーシートのキャリアプランを作成する際には、以下のポイントを意識しましょう。

✅ 「短期・中期・長期」の3ステップで整理すると、説得力が増す
✅ 企業の事業内容と自分のキャリアプランをリンクさせる
✅ 抽象的な表現を避け、具体的な目標を記載する

企業に自分の成長意欲を伝え、採用される可能性を高めましょう！

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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